現状の汚水処理・排水処理が抱える問題点などを紹介

汚水・排水処理の現状

環境問題に大きく影響する水処理の現状

水は私たちの生活の中で、なくてはならない存在ですが、汚水処理や排水処理などは、環境問題の一端を引き起こす大きな要因でもあります。現在の水処理における問題点などについて紹介します。

汚水・排水処理が抱える問題点

世界的規模で環境問題がクローズアップされる中、日本でもその重要性が社会問題となっています。とりわけ、豊富な地下資源である水をバックにその産業を発展させてきた一端があることに加え、四方を海に囲まれているという立地条件などから、汚水処理・排水処理問題は、公共施設や民間企業を含めてこれからの重要課題であると考えられています。

現在、一般的に行われている浄水方法は、微生物を使用した「活性汚泥法」。自然の摂理をうまく利用した浄水方法なのですが、いくつかの問題点も抱えています。

地球温暖化への警鐘
地球温暖化への警鐘

活性汚泥法では、微生物などが分解しきれなかった汚濁物質が「余剰汚泥」として残るのですが、これを処理しなくてはいけません。その処理方法のひとつとして挙げられるのが、焼却での処分方法。余剰汚泥を焼却することにより、多くの二酸化炭素(CO2)を排出してしまうことになります。

埋立地の飽和状態
埋立地の飽和状態

余剰汚泥を処分するもうひとつの方法が、埋め立てによる処分です。年間2億トン近くの大量の余剰汚泥が排出され、このうち60%前後は肥料などとして有効活用されているのですが、残りの40%はいたしかたなく埋立処分されているのが現状です。次々に埋立地がつくれるわけでもなく、いずれは現状の埋立地も飽和状態を迎えてしまうことになるのです。

河川・湖沼・海の汚染
河川・湖沼・海の汚染

余剰汚泥には、微生物が分解しきれなかった「りん」や「窒素」が多く含まれています。埋立地が河川や湖沼などに近いと、これらが地中から流れ込み富栄養化を引き起こします。富栄養化は、藻類やプランクトンなどの大量発生を招き、魚介類などが生息できなくなってしまうことに加え、水質の悪化による悪臭なども発生。海ならば、赤潮や青潮の原因になることもあり、大きな環境問題として認識されています。